準備室から聞こえてきた笑い声。
中学では卓球をしていたわたしには分かるけれど、部活ってこんなもんだ。
できない人間を陰で笑うは当たり前。
とくにわたしは彼女たちにとってもいじり甲斐があるのだから尚更。
楽譜立てをドアの前にそっと置いて、わたしは背中を向けて走った。
「なんだ、てっきり全体練習にようやく参加できたと思ってたけど違ったのかよ」
「………それは公式じゃないっていうか…」
「なんだそれ」
というか先生、意外とわたしのこと見てるよね。
好き?
もうそういうことなんじゃないの?
って、できるならいつもどおり笑顔を振り撒きたいけど今日のわたし、すっごい落ち込んでるみたいだ。
教室にポツンと残ったわたし。
なにかファイルを持っては現れた遥人くん。
「先生、部活は…?」
「外、見てみろ」
「………雨…、すごい」
「…な。サッカーは天候に左右されるスポーツだ」