でもなんか、踏み込めない大きな壁みたいなものがあって。

というよりあの日から坂田さんとも溝がめちゃくちゃ深まったとだけ。



「いいですか皆さん。この3年生を送る会は先輩たちに今までの感謝を伝えるだけじゃなく、いつも忙しくしている先輩たちに私たちがいま持っている力を見てもらえる貴重な機会でもあります」


「「はいっ!」」


「全身全霊全力で、先輩たちのコンクールの門出を祝いましょう!」


「「はい!!」」



さすが次期部長とウワサされてるだけある…。

クラスではいつもあまり目立たない物静かな子だけれど、この場所では見違えるように変わるらしい坂田さん。


そしてクラスでは活発なわたしが、今はすごく消えそうだ。



「じゃあまずはそれぞれのパートでレベルに合わせたグループ練習をしてください。1年はそっち、2年はこっちで」



わたしはもちろん1年生組に混ざることに。

と言っても、そのなかでもまだまだ指導が必要な子たちの集まるグループだ。