運動部と文化部ともに、全国大会は当たり前という実績を持っている。


中学時代からの同級生である唯ちゃんもまた、卓球の実力でスポーツ推薦。

ちなみにわたしは一般入試を経て、ギリギリ滑り込みで奇跡的に鈴高に通うことができていた。



「でもびっくりだよ。私と同じ高校に行きたいとは言ってたけど、まさか吹部に入るなんてね」



わたしが吹奏楽部として着々と変わっていくたびに、唯ちゃんは改めてしみじみと見つめてくる。


机を向き合わせたお昼休み。

忙しいなかでもお母さんが毎朝つくってくれるお弁当を食べる、至福のとき。



「卓球、ニーナも中体連で良いとこまで行ってたじゃん。てっきり高校でも一緒にやってくれると思ってたんだけど」


「いやいやっ、唯ちゃんの才能を隣で見ちゃったら気が引けるよ~。ってだけじゃなく……吹奏楽、やってみたかったんだあ」


「…たしかに、いつも指咥えて見てたもんね」