神原龍星side

外に出ると新鮮な空気を思いっきり吸う

「やっと着いたー!」

脇腹を月にドンッと肘で押される

「あっ、やべ」

いつものノリで素が出過ぎた

チラッと後ろを向くと3人の女子たちは遠くにいて俺の声は聞こえてなさそうだった

「、、セーフ」

「セーフじゃないよ。もっと気を付けて」

「はーい」

「龍星が月に注意されてる〜」

ニヤニヤした顔でいつものように蓮にいじられる

「ああっ?やんのかてめえ〜」

「はいはい。もう、切り替えて」

「はいはーい」

気怠げに月に返事をして1つ瞬きをする

「よし」

こう見ると俺たちも結構普通の男子高校生になれるんだ

ただ、少し人と違うだけで

「柊さん。まずどこを回りますか?」

1歩後ろに下がって月が司会進行してるのを眺める

あー、そっか。この後っていうか自由行動なのか

「んー、、そうね、皆さんはどこ行きたいですか?」

パチッと目が合ってしまう

「あー、えっとこことか、、?」
「ここがいい」

「え?」

俺と同じ所を指さしている人がいた

「おぉ〜瑠夏が意見言うの珍しい」

あ、さっき隣だった人

瑠夏って言うんだ

「じゃあそこ行きますか」

月の言葉で目的地に向かい始める

まぁ、ほんとはここに行きたかったんじゃないんだけど

1人行きたい奴いて良かった

バス内ではめちゃ気まずかったけど結構普通の人かも

数時間ずーっと本読んでたけど顔立ちガチ人形なんだよなー

「ていうか、蓮めちゃ機嫌良くないか?」

「んー?そうー?」

「さっきからずっとニコニコしてるぞ?なぁー月?」

花飛びそうなぐらいふわふわしてる

「、、?月?」

「、、、あっ、そうかもね!」

「???」

なんか月もいつもと違うな、、

「着いたよ」

少ししてから女子達が後ろから合流する

中に入ると少し薄暗い部屋に展示品が並んでいた

うげ、眠くなりそ、、

開始早々心が折れかける

「途中で抜け出そうとかしないでね」

コソッと月に耳打ちされる

「あー、、俺はちょっとトイレに行って、、」

少しずつ後退していこうとすると2人に腕を掴まれる

「龍星が行きたいって言ったよねー」

「いや、俺は、、」

他の場所に行きたい、、

「どーせコンビニとか行こうとするでしょ」

「そーいえばー、これって莫大な枚数のレポート出るらしいよ〜」

「げっ、ガチかよ」

バッグから紙を取りだして大急ぎで記録を書き残し始める

「なぁ、これって、、ってあれ?」

横に居る蓮が跡形もなく消えていた

「あれ、、?あいつどこいった?」

「他の見学行ったんじゃない?」

「そうか」

「早く書かないとレポートの成績終わるよ?」

「やべっ」