「おー来たで」
キーラに呼ばれて繁華街の裏に来た私たち3人組。
「はっ・・・どんなヤツが来んのかと思えば・・・チビか!」
鼻で笑い、殺夜と涙悪を見るリーダーらしき男。
いや、2人は身長180センチ超えてるから。
「・・・早く()ろ?」
声を掛けると、キーラはそろってこっちを見る。
「お前が姫か!はっ、ちゃんと用意してきたか!!」
用意・・・?私を懸けての戦いなんだ・・・。
ま、殺夜たちが負けるとは思えないから安心していいか。
「雫宮も戦いたい?」
「ん、戦いたい・・・」
殺夜に訊かれ、私は頷く。
「じゃあ始めますか」
指の骨をぽきぽきと鳴らし、殺夜が飛び出していく。
私もあまり目立たないように武器を壊していった。
「・・・はっ?スタンガっ・・・」
スタンガンが!って言いかけた男の顔を殴る。
鼻血が出て、私の服にかかる。
汚くなった・・・。
まぁ、一回濡れたからもういいか。
次々と殴って蹴って血をまき散らせる私と、なにかイラついてるように男たちを殺っている2人。
どーしたんだろ・・・。
そして数分後、約20人の男を倒した私たちは呆れたようにそれを見ていた。
「この程度かよ・・・」
「これで姫様狙いとは・・・ヴィラーナの下っ端にもなれませんよ?武器までもって」
2人も驚
いてるのか、倒れる男たちをガン見している。
「殺夜」
「ん-?」
「涙悪」
「はい、姫様」
「処分は任せる」
「「仰せのままに」」
2人は私の指示に軽く礼をすると、男たちを引きずって物陰に連れて行ってくれた。
「さ、帰ろーや」
「そうですね、今の内に」
処理を終わらせた2人に声を掛けられ、私たちは繁華街を出た。
なんか視線と感じるけど・・・2人が言うなら気のせいなんだろう。
2人を信じて私はアジトへ帰ろうとしたが、喰乃に会って家にお邪魔するコトにした。
                                                                     
喰乃の家の前で2人とは解散し、私は家の中に入った。
「ゆっくり入ってきてくださいね」
ゆっくり、を強調して言うメイド長さんに頷き、私は袴とジャケットを渡して風呂に行った。
血はこびりつくと臭い。
慣れてる匂いだけど、好きではないから体中石鹸で洗う。
30分くらいかけて体と頭を洗い、20分くらい湯船につかる。
・・・なんで湯船がお湯が張ってあるんだろう・・・。
1時間あれば洗濯できるだろうから、と風呂を出た。
私は用意されていた服を着て、リビングに行ってみる。
「はい、袴ですね、ジャケットですね」
メイド長さんが丁寧に服を渡してくれ、パパッとそれに着替える。
喰乃の家にはクリーニング専門の人がいて、こういったときに綺麗にしてくれるのだ。
「じゃあ失礼します」
「姫ーぇ、じゃーねー」
「シズク様、お気をつけて」
喰乃とメイド長さんに見送られた私は新しい家に向かって歩き出した。