「メイド長、姫来た」
「なんと!シズク様が!」
玄関に出てきた年配の女。
メイド服を着ていて、雫宮を見て喜んでいた。
「シズク様がいらっしゃるなんて!」
「風呂入ってる間に洗濯しといて」
「了解いたしました、若様!シズク様、こちらへどうぞ!」
喰乃(確信)の家の前で解散したらしく、殺夜と涙悪はいつの間にかもういない。
喰乃とメイド長と豪邸に入って行った雫宮をみて、俺は家に帰るコトにした。
家に帰るまでの間に考える。
                                                                  
雫宮は・・・不良? 
                                                               
殺夜と涙悪が・・・雫宮を巻き込んだ?
                                                                    
雫宮は・・・2人のどっちかが好き?
                                                                   
歩くたびに不安になる。
不安になるたびに・・・家が見えてくる。
家の中に入って手を洗い、風呂に入る。
そのままリビングのテーブルにスマホを置いた。
席について、今日の疲れたら思わず突っ伏する。
んー・・・このまま雫宮が帰ってくるのを待つ、か。
雫宮が帰ってきたら目は開ければ、いい、し・・・。
俺は目を瞑り、ふー・・・っと息を吐きだした。
〈side 鈴蘭 END〉