〇天体学院(朝)
”天体学院”と書かれた看板のある正門。

ゆり、1人でずんずんと登校。

潤、大勢に囲まれながら登校。和気藹々。

1-A教室の札。

黒板には数学の板書。

ゆり、真っすぐ熱心に見ている。

潤、隣の席の男子生徒とふざけている。

教師「おい、日車!静かにしろよ。それじゃあ、この問題を月野」

ゆり、当てられて前に出る。黒板の前で固まってしまう。???が頭の上に出る。

教師「(なんだ。真面目に聞いてると思ったら)……それじゃあ日車」

潤「はーい」

日車、ゆりと入れ替わる形で黒板の前へと出る。

日車、問題を一瞥したらすらすらと解いていく。

潤「できました~」

教師、ちらりと見て丸をつける。

潤、席に戻る。

男子生徒「いつの間に授業聞いてんだよ」

潤「勘だよ。勘」

男子生徒「また適当なことを言いやがって」

ゆり、頭上にはまだ?マーク。

〇天体学院(夕)

バスケットコート。

潤、男子生徒たちとバスケをしている。

女子生徒のギャラリーが盛り上がっている。

潤、パスを受けてスリーポイントシュートを決める。

女子生徒たちの黄色い声援。

1-A教室の札。

ゆり、教室に1人だけで机に向かって座っている。

机の上にはさっきの数式のノート。

ゆりの頭の上には?マーク。

潤、教室に入ってくる。ゆりを見つけて近づく。

潤「ゆりちゃ~ん、何してるの~」

潤、真っ新なノートを見てぎょっとなる。

潤「さっきの復習?」

ゆり「そう」

潤「わかんない?」

ゆり「そうね」

潤「もっと前からやり直した方がいいよ。たぶん」

ゆり、突然頭をあげる。潤、驚く。

ゆり「話があるの!」

潤「は、はい」

ゆり「私を弟子にしてくれない」

潤、ぽかんとしている。

ゆり「いい?」

潤「彼女じゃなくて?」

ゆり「彼女?あなた、彼女いるでしょう?」

潤「そうなんだけどさ。弟子ってなに」

ゆり「あなたって友達も多いし、勉強もできるし、運動もできるでしょう
   その友達の作り方教えてほしいの」

潤「教わってできるようになるもんでもない気がするけど」

ゆり「お願い!あなたみたいになりたいの」

潤、まんざらでもなさそう。

潤「(ゆりちゃん、プライド高そうだったのに)よし、じゃあ、師匠と呼びなさい」

ゆり「師匠!」

潤「さっそく友達作り作戦だ!」

ゆり、きらきらした表情。

ゆり「師匠!!」