ピコンッ


あれ…? 優希くんっ…⁉︎


休日、家で空ちゃんと勉強会をしていた途中、優希くんから連絡が来た。



「ん? どうしたのサラ? まさかまさか、悪い奴から⁉︎ だとしたらあたしが守る‼︎」


なぜか鼻息を荒くしている空ちゃん。



「ううん、違うよ」


「それかサラを好きな奴⁉︎ 許さなーい‼︎‼︎‼︎」


まだ何も言ってないのに勝手に決めつけてくる空ちゃん。


「違うよ。私の友達」


「まっさか…あたしより仲良いとか言わないわよねぇ⁉︎」


迫ってくる空ちゃんに微笑みかける。


「大丈夫だよ。空ちゃんは私の親友だから」


「大心友であり幼なじみよ!」


「もっちろんっ。私達は大親友」


「漢字わかってる⁉︎ 大、心、友よ⁉︎」



あっ…心友の方かっ…。



「うん」


そう答えて、空ちゃんが問題を解いてる隙に、優希くんからの連絡を見た。



[サラは何してる?]


[俺、サラに会いたい]


[サラ不足で死にそう]



わ、私不足で死にそうは、言い過ぎな気がするっ…。



私も返事を送った。



[私は今日会えないの。ごめんね]


すぐに返事が来る。


[そうか…暇になったらいつでも教えてくれると嬉しい]



[うん、もちろん]



送信すると、すぐに既読がついた。



「サラぁ、これどうするのぉ⁉︎」



「あ、ここはね…」



空ちゃんが問題を前にしてこんがらがっていて、解き方だけを教えた。



「あっ、わかった! サラありがと!」



「どういたしまして。だけど残念、間違ってる」



「ええええ⁉︎ どこがぁっ⁉︎」




*** ***



[今日、会わない?]



優希くんからそんなメッセージが来ていることに気付いたのは、空ちゃんが帰ってからだった。



[良いよ]



メッセージを送ると、一瞬でついた既読。



め、メッセージ送ってくれてたの一時間以上も前なのにっ…ずっと見てたのかな…?




[良いのか?]



[じゃあこのカフェとかはどうか?]



そんなメッセージと共に、カフェの写真が送られてきた。




あ…このカフェ、空ちゃんとよく行ってるカフェだ。




[うん、良いよ]




すぐに行くと送って、お母さんとのトーク画面を開く。




私のお母さんは仕事をしていて、平日や休日もいない。



今日は仕事があるけどお昼には帰ってくるから、帰ってきて私がいなかったら心配すると思うから。




[今日は友達と遊ぶから、帰ってきてもいないと思う]



[お昼ご飯は焼き鮭だからね!]



お母さんの代わりに私がご飯を作っている。



[鮭はあるから焼いて食べてね]



送信、っと。



スマホをポケットにしまって支度をした。



外に出て、扉に鍵をかける。



「行ってきますっ…」



誰もいないけど、挨拶は大事だよねっ…!



私のお父さんは出張に行っていて、まだまだ帰れる見込みはないらしい。



私もみんなの役に立ちたくて、ご飯を作り始めた。