めると蓮は夏祭り会場についた。歩行者天国ができており、屋台が並んでいた。人がまばらだった。めるは汗を大量にかいていた。日差しがてりつける。人が二人をじろじろ見てくる。めるはぎくっとなった。ばれませんように。
 「じゃあ、行こう」と、蓮。
 二人は歩いた。女子高生くらいのグループが前から歩いていた。
 「あの人、めるちゃん似てなくない?」
 と、女子高生くらい。
 「ええええええええ。似てないよ。ださいし。不審者じゃない?」
 と、女子高生は歩きながら話していた。
 「そうかなあ」
 と、女子高生がめるを見てくる。めるはぎくっとなった。
 「ね、ねえ、りょう、お祭り楽しいねえ」
 と、蓮。
 「そうだねえ」
 と、める。
 「ね」
 と、女子高生くらい。
 めるはほっとした。二人は歩いた。
 「金魚すくい」と書かれた屋台があった。
 「ねえ、あれやろう」
 と、める。
 「うん」
 と、蓮。
 めると蓮は屋台に入った。
 「いらっしゃい」
 と、屋台のおじさん。
 「あのう二人で」
 「あいよ。二人で600円ね」
 「私払うから」
 と、めるはいった。蓮はうなずいた。めるは財布を出した。財布から500円玉と100円玉をだして、おじさんに渡した。
 「あいよ」
 おじさんはお金を受け取った。次におじさんはボールをめると蓮に渡した。
 「あいよ」
 次におじさんは金魚をすくうポイをめると蓮に渡した。
 「ようし」
 と、める。ポイをかまえた。めるは水槽の金魚をみつめた。そーっとポイを入れた。金魚をすくおうとした。
 「あ」
 と、める。ポイが破けたのだった。
 「ああ、残念」
 と、蓮。
 「じゃあ、次はりょう」
 「うん」
 といって蓮はポイを構えた。蓮はじっと金魚を見た。
 「りょう、慎重に」
 と、める。
 「わかってる」
 と、蓮。蓮は金魚を見た。蓮はそーっとポイを入れ、金魚をすくった。ボールに入れた。
 「わあ」
 と、める。蓮はどや顔。蓮はまた水槽の金魚をみつめた。
 「りょう、がんばって」
 と、める。蓮はそーっとポイを入れた。そうしてまた金魚をすくった。ボールに入れた。
 「やった」
 と、める。
 蓮は微笑んだ。蓮はまた金魚をみつめた。そうしてそーっとポイを入れた。
 「あ」
 と、蓮。ポイが破けた。
 「ああ」
 と、める。
 「ああ、残念」
 と、おじさん。
 「ほら、ボールよこしな」
 と、おじさんはつづけた。蓮はおじさんにボールを渡した。おじさんはボールの中の金魚を袋に入れて、蓮に渡した。
 「はい、兄ちゃん」
 と、おじさん。
 「ありがとうございます」
 といって、蓮はおじさんから金魚の入った、袋をもらった。蓮はポイをおじさんに返した。
 「あいよ」
 と、おじさん。
 めるはポイとボールをおじさんに渡した。めると蓮は屋台を出た。めると蓮は二人歩いた。
 「よかったね」
 と、める。めるは蓮の持った金魚の入った袋を見た。
 「あげるよ」
 と、蓮。
 「え、いいの?」
 「うん」
 といって蓮は金魚の入った袋をめるに渡した。めるは蓮から金魚の入った袋をもらった。そのとき蓮と手が触れ合った。めるは袋に入った金魚をみつめた。