先ほどまで騒がしいほど口から暴言が止まらなかった佐倉さんの動きが止まる。



成宮くんも、佐倉さんの腕を掴んだまま目を見開いて、そのあと気まずそうに斜め下を見つめる。



「あ!そこです!」私たちが相当騒がしかったことで、近所の人が通報したらしく警察が到着した。



「君、少し話聞けるかな」



私たちは助かったが、暴言を吐いていた佐倉さんの表情は真っ青だった。




「お前みたいなやつ一生幸せになんかなれねえし、一生一人悲しく孤独に生きろバカ女」



「はいはいそこまでね」と警察官に頭を押さえつけられながら、佐倉さんはパトカーに乗り込む。




公園に取り残された私たち。



先ほど思わず声に出した「恋愛しない」宣言について、きっと成宮くんに色々聞かれてしまうと思う。



だけど、予想は的中せず成宮くんは笑いながら「後追っかけて正解だったわ」と言った。



「いつもありがとう。私、年上のくせに頼りないよね」



「そういう歳の話、すんなよな」



「嫌か・・・ごめん」



「いいよ別に、結果助かったんだし」



「あの成宮くん私・・・」



私から切り出そうとするのだが、何かが引っかかってうまく話せない。



深いため息をし、成宮くんは眉間にしわをよせる。




「俺、振られた?」





「成宮くん、そのさっきのは」




「いいよ、はっきりしなよ」




そう年下に言われてしまう私は情けなさでいっぱいだった。



「ごめん、今は成宮くんの告白に答えることができない。答えが出ないだけで振ってないよ。
でも、わたし、ケジメ、つけられなかった・・・」




「そっか」




「私がダメなの。私成宮くんみたいに完璧な男性の隣にいれない。と、というか資格ない」



「まーーーー、あいつはああ言ってたけど、これがくらげの思わせぶりじゃないって信じてるわ俺」



「ごめん」


「謝んなバーカ」