バイトもし、就職先も考え、色々といっぱいだった私は佐倉さんに途端に甘えることを選択していた。



電話もし、メッセージもし、応援もしてくれた。



少し、気分転換にどこかに行かないかと言われたが、断った。



その繰り返しをした日々に、私は就職で内定をもらえなかった【premier amour】に派遣として応募することを決めることができた。



この選択の背中を押してくれたのも間違いなく佐倉さんだ。



だが、この甘えた私の行動にさらに火をつけたのか、佐倉さんはメッセージでいい印象の文章を送ることはなくなってきたのだ。



『今度車でドライブしない?』

『わあ、すごい』

『すごくなんかないよ、山奥だけどいい?なにするかわからないけど』

『どういうことですか?笑』

『山奥誘う人は危ない人だよ。まあ、その時のお楽しみね』




既読を付け、メッセージを送る文章をイメージをしたが、私はしないことを決めた。



このままメッセージを長々と続けてもだめだと思った。



私は佐倉さんを利用した最低な人間だったということに気づいてもらうにはそれしかないんだって勘違いしていたんだと思う。



しっかり言葉にして伝えなければいけないのに。





こうして月日が流れ、派遣として働くことも決まり、追いメッセージもなかったことに安心感があった。


なんだ、よかった、あまり執着するような人じゃなくて、よかったって。




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pon♪


『あっでも、ごめんね。落ち込んだことがあったから、くらげちゃんに聞いてもらいたいってだけだから!』




そんな自分が思うように、世の中うまくできていない。




私が起こしてしまったことだ。




頭が真っ白になって考えることもできない。



ストーカーとかするようなことはないと思うし、だけど妙に引っかかるメッセージや職場も知られてしまっていることで私はなんとなく背筋が凍り付く。




″怖い"



ずっと言えなかった言葉。



吐き出してしまえば楽なのに。



相談なんかしてしまえば、私の悪い部分が見られてしまう。




私は、メッセージで光り続けるスマホの画面を見ないふりをし、そのまま眠りにつくのだ。