-------------高校生の頃


好きな男の子と連絡先を交換することができた。



グループLIMEで向こうから追加してくれたのだ。



すごく仲の良かった男の子だからか、駆け引きとかそんなことお構いなしにメッセージを送りあっていた。


ある日、話は尽き、メッセージも一か月は空いてしまっていたと思う。


それでも、学校では会えていたし、脈ありだと思っていた。


だけど、おかしい。


学校でもあまり話す機会がなくなり、それからまた三か月たったと思う。


人によるが、私はというと不思議なことに、会ったり関わったり、そういうのが減っていくと相手への気持ちの高ぶりが急降下するのだ。


だから、もう、彼のことは好きじゃなくなっていた。


でも、メッセージの通知が三か月後にきた時、私の心臓は何故か飛び跳ねたのを覚えている。嫌でもね。




通知【ごめん】




「ごめん・・・?」なんのことかさっぱり分からなかった。



三か月間の間に彼に一体何があったのだ。それくらいしか思わなかった。



頭の片隅には、「ごめん、意識して話せなくなった」とか言うのではないかと思っていたと思う。



【ん?どうしたの?】



【いや、なんでもない】



【いや、気になるから教えてよ】



あの時の私は舞い上がっていたから、気づかなかった。


脈なしの文字なんか思いつかなかったし、むしろ私が彼のこと諦めてやってるんだくらいにしか思っていなかったから。



【いや、ブロックしてたから】



そう通知で見たとき、私は通知を開けることができなかった。


ブロックしていた・・・?


確かに付き合っていなかったし、どうすることだってできる。


でも、なんで?


三か月の間に私は何かしたの?


追いメッセージなんてしてないし、学校でも不用意に近づかなかったのに。


男の子が嫌がることはしなかったはずなのに。


そのまま唖然とし、そのあとは軽く泣いたのを覚えている。


友達の伝手で、彼が私のことを「つまらない、脈なしのかたまりだ」と言っていたと伝えてきた。


聞きたくなかったのに、伝わる。


要するに、私の行動が冷たくて脈なしにしか感じなくてつまらないし恋してる感覚がない、とのことだそうだ。


それ以来連絡先交換というのは、駆け引きに使われるツールであってあまり嬉しいものではなくなっていた。


だけど私は、25歳にもなってその駆け引きの舞台に上がってしまっている。


年下に、駆け引きなど使いたくないものだ。


だが、やはり心は素直なのである。


私の番号が成宮くんのスマホの中に登録されているという事実がとてつもなく嬉しいものだった。