「おぶるんで、乗って」


「嫌!!」


「嫌じゃないよ、ほら乗れって危ないんだから」


「私の家は嫌!成宮くんの家がいい!」


「はあ??俺んち?」


「うん!いやだ?」


「いや別にいいけど、逆にいいのかよ」


「はぁーやぁーくぅー!」


「わーったよ、いいから乗れ。タクシーのとこまで我慢しろよ」


「ウ″ッ!!!ギブ!!成宮くん吐く!!!!!!」


「いったいよ、って、はあ!!??」


私は成宮くんからは回避できたが、道端で盛大に吐いたらしい。


タクシーも近くに停まっており、運転手さんが車からわざわざ出てきてくれて、成宮くんと一緒に車まで運んでくれたとのこと。


ここまではやんわりと、やんわりとだけれど覚えていた。


だけど、まさか私から成宮くん宅に行きたいと言っていたなんて。


仕事を辞める気でいる私でさえも、多少恥ずかしさは感じる。





「降りれるか?」


「んーーー」


「寝てるし・・・すみませんお釣りは結構ですんで、お世話になりました」


「おお、兄ちゃん。彼女さん、大切にしなよ?」


「あーー、はい。じゃあ」


成宮くんは私をお姫様抱っこして部屋まで運んだのだとか。


私はどれだけ人に迷惑をかけているのだろうか。


思い出すたびに顔が赤くなり、体は冷や冷やしている。