「会いたいんでしょ?」



「でも・・・っそんな資格なくて」



「嫌いな自分になってどうするんですか、神子谷さん」



柏木さんまでもが、私の背中を叩くように言葉をかける。



すると熊井さんは目の前にあるジョッキを除けて、私をジッと見つめだす。





「恋っていうのは、大きな壁も乗り越えなきゃいけないものよ

たとえ歳が離れていたとしてもね」






「・・・・はいっ」涙を拭くが止まらない。



「ええっ!?神子谷さん、成宮くんとの歳の差を気にしてたんですか?」



柏木さんは驚いた顔をするのだ。



「ま、まあ・・・それもありますけど・・・」



「気にすることじゃありませんよ~!現に成宮くん、全く気にしてなさそうでしたし」


「え?」


思わず聞き返す。



「ちょっと柏木ちゃんこそオブラートじゃないのよ」



「あら?つい・・・ていうかオブラートの使い方間違ってますよ熊井さん」



「あの、気にしてないってどういうことですか?」



聞くと柏木さんは気まずそうにスマホを取り出す。