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「では、ただいまより筆記試験を始めます。合図がありましたら・・・・」



そう声が聞こえ、肩があがる。



書類選考は無事突破。あとは、この筆記試験と面接だ。



合図がだされ、同じ社員登用試験を受ける者たちの必死にペンを走らせる音が響く。



負けじと私もペンを走らせる。



学生以来だ。



必要な勉強、予習、全て手を抜かずにやってきた。



細野主任から伝えたいことがあると言われた日から、私はずっとこの登用試験のことばかり考え、過ごした。



それくらい私はこの会社が好きで、細野主任に認められるように必死なのだ。




いつしか私はこの沼にはまって抜け出せなくなっていた。




仕事も、恋も。



でも、それが私の本能だと思うから、認めて生きていくと決めた。



私は必死だ。



時計の針が、走らせるペンと共に進んでいく。



こうして私は、筆記試験を終了し、あとは面接だけとなった。