彼女を初めて見たとき、なんてカッコいい人だろうと思った。



人間は意外にも、自分を持っていないスペックも持った人に惹かれる素質があるんだとか、ないのだとか。



でも、僕にはそんなの関係なくて、関係ないくらいくらげに夢中だった。



伏し目の時によく見える睫毛とか、微笑んだ時に見えるえくぼとか、人を助けるのに必死なところとか、
冷たそうに見えて実は熱い思いを持っているところとか、全部夢中だった。



色んな人にくらげの存在を打ち明けた。



「オーラが綺麗なんだよ」とか「付き合いたい」だとか「傍にいたいけど振り向いてくれない」とか全部。



でも、言うたびに「無理だ」とマイナスの言葉が飛び交う。



大きな壁があると、毎回のように言われるのだ。



「歳が離れているだろ。お前はその人の気持ち、ちゃんと分かってやれるのか」と。



僕の性格上、猪突猛進であったがためにそんなこと一切考えもしなかった。



だからなのかな。



僕が振られたのは。