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pon♪



朝、メッセージが届く。



この感覚、やっぱり懐かしく感じる。



待っていた人からのメッセージというのは、本当に心臓に悪いもので。



『いつ帰る?疲れてるだろうから迎えに行くけど』




メッセージの送り主は、細野主任。



最近の私は細野主任に甘えていた。



甘えることができるなんて、気を許している証拠だと思う。



気を許していると恋愛感情は別問題だとは思う。



でも、それでも私は、細野主任に好かれることで自分の自信に繋がると思った。



ダメな考え方かもしれない。



色んな人にこの考え方は理解してもらえないだろうし、反対されるかもしれない。



気持ちに蓋をするのは得意だ。



もう、後ろなんか見たって誰も私を見ることはない。



だったらいっそ、目の前にいる人に愛されていたい。



誰かに愛してほしい、大切にしてほしい。刺激的な恋だの愛だのの前に、私は安心感がほしかった。



『今日、帰ります。お願いしてもいいですか?』



細野主任、私の最後の恋のお相手になってくれませんか。



『了解、住所送って』



優しい細野主任に安心感を求めることで、私は優越感に浸ってしまっているのだ。



もう、戻れない。