「全部解明する。ぜったいに」

「ふふふ、頑張ってね」

私たちは急いで教室の外に出た。

「まずはどこからいくの?」

「ここから近いのは体育館だ。行こう」

体育館に着いた。

夜の体育館は薄暗く、不気味な雰囲気だった。

ポーン…

足元にバスケットボールが転がってきた。

「なんでこんなところに?」

私はバスケットボールを拾い上げた。

桐ヶ谷くんは、はっとした顔になった。

「ボールから手を離して!」

「え?」

次の瞬間、体育館に響き渡るほどの笑い声が聞こえてきた。

あははは!!!

「何、この声?どこから聞こえてくるの?」

「あれだ!」

桐ヶ谷くんが指差した方向を見ると黒い人影のようなものが見えた。

「一つ目の七不思議は、真夜中に聞こえる笑い声だ。バスケットボール部が試合にいく前にバスが交通事故にあったんだ。それで試合にでられなかった部員の霊たちがここに留まっているんだ」

笑い声はどんどん大きくなっていく。

瀬奈ちゃんは、七不思議を解明することが条件だと言っていた。

「ねぇ!七不思議の解明ってただ見つけることだけじゃないよね?」

「たぶん、成仏させることを言ってるんだと思う!」

桐ヶ谷くんは、お札を取り出して、黒い影に向かって投げつけた。

パァッと明るくなって黒い影たちが消えて行った。

「これで大丈夫。成仏できたはずだ。時間がない。先に進もう」