学校につくと、笹倉さんがお礼を言いにきた。

「成海先輩、ありがとうございます!無事にみんな、目を覚ましました!桐ヶ谷先輩にもよろしくお伝えください」


私は、新聞部の部室に向かった。

「桐ヶ谷くん」

「あ、成海さん、きたんだ」

桐ヶ谷くんは、ノートを広げていた。

「新聞の特集、どうするの?」

桐ヶ谷くんは、眉間に皺を寄せた。

「七不思議は、全部消えたからね。また別なのにするよ」

そう言って笑った。

「ところで桐ヶ谷くん、私の体質についてなんだけど…」

「ああ、それはまた今度話すよ」

なんだか、はぶらかされてしまった。

私は、ため息をついて、窓の外を見た。

もう夏が近づいていた。