「あらまぁ。そのお顔はお嬢様を獰猛な熊から守ったという、初恋の君を思い出されていらっしゃるのですね?」

「え……っ! ち、違うわよっ、ねぇラピス」

「きゅう?」

いつもなら私になんでも同調するラピスが首を傾げて見せる。

「ラピスもそう思ってらっしゃるみたいですわよ」

「もう~っ……」

「ふふ、わたくしその金色の髪を持つ、海のような碧い瞳の男性の情報も調べておきますわ」

「ちょっといいわよっ、それよりはやくドレスを」

私は赤くなった顔をドーラに見られないようにそっぽを向いた。