先頭をきって入ってきたのは、第一王子であるセオドア=アルベルト。
正装に身を包んだセオドアは、銀色の髪を揺らし赤い妖艶な瞳は真っ直ぐに前を向けたまま、女性たちのうっとりとした眼差しを一身に浴び堂々と歩いていく。
(綺麗な顔の王子様だわ……)
王子の顔は初めて見たが、こんなに整っているとは思いもよらなかった。これは今夜のダンスパーティーはさぞかし熾烈な女の闘いが繰り広げられるのだろう。
セオドアは上座にたどり着くとにこやかな笑みを浮かべながら、ゆったりと椅子に腰かけた。
それと同時に、会場の扉がゆっくりと閉められる。
(あら? 第二王子は?)
同じことを思ったのだろう、すぐにドーナが私に目だけで疑問を投げかけてくる。私は小さく首を振った。
「──皆さん、今宵はお集まりいただき有難う。楽しい夜になることを期待しています」
セオドアの挨拶に大きな拍手が沸き上がると同時に王宮楽団の演奏が流れ始める。
ドーナが私の耳元に顔を近づけた。
「お嬢様、どうなさりますか?」
困ったことになった。第二王子が会場に居れば安心して探索できるかと思っていたがあてが外れてしまった。
「いいわ、このまま続行する。パーティーが終われば門の外で待ち合わせましょう」
「承知致しました、くれぐれもお気をつけて」
「えぇ、貴方もね」
私はダンスが始まったのを確認すると目立たないよう、会場の裏口から外へと抜け出した。
正装に身を包んだセオドアは、銀色の髪を揺らし赤い妖艶な瞳は真っ直ぐに前を向けたまま、女性たちのうっとりとした眼差しを一身に浴び堂々と歩いていく。
(綺麗な顔の王子様だわ……)
王子の顔は初めて見たが、こんなに整っているとは思いもよらなかった。これは今夜のダンスパーティーはさぞかし熾烈な女の闘いが繰り広げられるのだろう。
セオドアは上座にたどり着くとにこやかな笑みを浮かべながら、ゆったりと椅子に腰かけた。
それと同時に、会場の扉がゆっくりと閉められる。
(あら? 第二王子は?)
同じことを思ったのだろう、すぐにドーナが私に目だけで疑問を投げかけてくる。私は小さく首を振った。
「──皆さん、今宵はお集まりいただき有難う。楽しい夜になることを期待しています」
セオドアの挨拶に大きな拍手が沸き上がると同時に王宮楽団の演奏が流れ始める。
ドーナが私の耳元に顔を近づけた。
「お嬢様、どうなさりますか?」
困ったことになった。第二王子が会場に居れば安心して探索できるかと思っていたがあてが外れてしまった。
「いいわ、このまま続行する。パーティーが終われば門の外で待ち合わせましょう」
「承知致しました、くれぐれもお気をつけて」
「えぇ、貴方もね」
私はダンスが始まったのを確認すると目立たないよう、会場の裏口から外へと抜け出した。