「嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

口から自分のものとは思えないほどの大声が出た。スマホは手から滑り落ちて血で汚れた地面に落ち、音を立てる。

私の目の前には数人の遺体があった。全員が血を流して生き絶えている。その顔に見覚えがあった。私に嫌がらせをしているグループ全員だ。

「明日香先輩、喜んでもらえましたか?」

背後から声をかけられ、肩を震わせながら振り返る。そこにはニコニコと笑う新一くんがいた。でも彼の着ている服や顔には返り血が飛び立っていて、その手には血まみれのサバイバルナイフが握られている。

「……し、新一くんが、こ、こんなこと、を?」

恐怖で声が震える。そんな私の前で「はい。そうです!」と彼は誇らしげに頷いて胸を張る。まるで数人の遺体など目に見えていないみたいだ。

「俺は初めて明日香先輩を見た時から惹かれていたんです。この想いは底なし沼なんです。どこまでも沈んでいって消えない。それだけあなたに夢中なんです。……でも、こいつらはそんな明日香先輩を悲しませた。だから始末したんです」

新一くんはもうただの肉の塊となった私のクラスメートを冷たい目で睨む。でも私を見る時は優しいものに戻った。

「明日香先輩、邪魔者はもうこれでいませんよ」

震える私を抱き締め、新一くんは頰をすり寄せてきた。