「お金だなんて!そんなものちっともほしくありませんよ。私がほしいのは紅葉さん、あなたです」

顎を掴まれて強制的に律さんの方を向かされる。律さんの目は熱を孕んでいて、どこかギラギラとしていた。頰を涙が伝う。

「とても可愛いですね。私、ずっとあなたを飼うのが夢だったんです。ここで幸せになりましょう」

律さんの唇が頰に触れた。そのまま彼は私の涙を幸せそうに拭う。

この牢獄から出られる日は果たしてやって来るのだろうか。絶望の海に私は突き落とされてしまった。