夜、私は聖くんの家の前で自転車を止める。大きな家だ。聖くんのお父さんたちは海外出張らしく、この大きな家に彼一人で今は暮らしている。

「莉愛、来てくれてありがとう。入って」

チャイムを鳴らす前に聖くんがドアを開け、家の中へと促す。私は「お邪魔します」と言い、広々とした家の中へ入った。広い家だけど片付いてるなぁ。

聖くんに連れられ、家の中に作られた彼専用のアトリエへ向かう。アトリエで聖くんは絵を描いているらしい。お金持ちっていいなぁ。

「……えっ」

アトリエに一歩足を踏み入れた私は、目の前の光景に思わず声を漏らした。アトリエには私の絵がすでに飾られていた。一枚だけではない。何枚、何十枚も、アトリエのあちこちに飾られている。制服姿から私服まで、様々なシーンの私が描かれていた。

「ひ、聖くん!これって一体ーーー」

戸惑って声を上げた私の腹部に鋭い痛みが走る。下に顔を向ければ、私の腹部を太く大きな矢が貫通していた。前に顔を向ければ、ボーガンを構えた聖くんが頰を紅潮させ、瞳を輝かせていた。