朝になり、身体を起こす。隣で眠っているはずのあなたがいなくて不安に苛まれた。少し辺りを見回すと、私に背を向けて座っているあなたを見つけた。

声をかけようとして、止まる。彼の手にはスマートフォンが握られている。後ろからそっと覗きこんだ。

…今していることを気軽に誰でもつぶやけるSNSのアプリの画面が見える。

あなたが楽しそうにコメントで話をしている。……この子は誰なの、ねぇ…。



今日はあなたとデートの日。いつも私がたくさん話してあなたは生返事。そんなのには慣れたけど…今日は許なさい。

街を歩く綺麗な女の子があなたの隣を通り抜ける。あなたは少し振り返った。……視線が女の子を追いかけていた。

……横からなにか感じないのかしら。……例えば、私の視線とか。