空が晴れ、虹が消えかかった翌朝、7時の事だった。

「ありがとう。」と、彼は、言った。

「あれ、いつまで?」と、ミナトは、言うつもりだったと後から言っていた。

彼は、騙されていた。

“魔法”に掛かって20時間、本人も“魔法”に掛けられている事を忘れてしまう“魔法”だった。

ミナトは、言った。

「愛してる」と。

「ありえない」と、咄嗟にひらがなで送っていた。

電子通信といって、誰とでも“会話”できる能力だった。

頭の中に聞こえてくる“声”は、優しく、時に厳しく、私を叱った。

「学校いつまで寝てるんだ」という意地悪な“声”まであった。

私は、支度も“完璧”にしていたのに…。

なんでも隣の家の子の分の請負だったらしい。

一応親戚に当たる子は、冒頭に出てきた主人公“私”の“友達”でもある“エマ”という女の子だった。

この子のせいで…と思った事は、一度もなかった。

だって、気付かなかったんだもん。

私にだって弱点は、あった。