「どうせ俺あと六日で死ぬし。期間限定のカップルってことでさ、後腐れないし良いだろ?アイツを無理やり諦めるのもしんどくね?ならいっそ、俺への〝好き〟で塗り替えりゃいーじゃん」
「塗り替える?」
飛鷹さんは「そーそー」と、ビニール袋に手を伸ばし、ツナマヨ味のおにぎりを取り出す。高速かつスムーズに包装をとるあたり、かなり食べ慣れているようだ。
「アンタさ、もうちっと緩く考えな?そしたら気づくって。世の中の男がアイツだけじゃねーって事にさ」
「咲人さん以外の男の人……」
再び「そーそー」と頷く飛鷹さん。キレイな三角おにぎりは、彼の大きな口により二口で姿を消す。ビックリと同時に、食べてる時さえ綺麗な姿に、思わず見とれる。
すると好戦的な鋭い瞳と、視線がぶつかった。
「答えは出たかよ、ミミちゃん?」
(……あ)
親指についたご飯粒をとるため、ペロッと舌を出した飛鷹さん。その光景に、いつかの二人が重なる。