私の思いの丈は、全てぶつけ終わった。涙のストックもちょうどなくなり、さっきより落ち着いていられる。

飛鷹さんに話を聞いてもらえて、本当に良かったな。


「というわけで。傷心中なので、飛鷹さんは絶対ココから逃げないでくださいね」

「は?」


唐揚げの後だから、甘い物が欲しくなったらしい。

飛鷹さんはドーナツをパクリ。
大きな口におさめながら、私をギロリ。


「アンタの失恋と俺の逃亡、何が関係あんだよ」

「だって〝好きになるな〟って言われた上、飛鷹さんにまで逃げられたら……いよいよ私の立つ瀬がありません。

次に咲人さんが帰ってきた時、私はココを出ます。

その時まで〝飛鷹さんの監視役〟は続けたいんです。それはきっと、咲人さんの役に立つことだから。だから逃げないでください、約束です」

「……はぁ~~~~」