「はぁ」と。
ため息と一緒にメロンパンを抱きかかえる。グシャリと音がしたのは、パンの包装紙か私のハートか――


「なぁアンタさ。この際だから、全部ぶちまけちまえば?」

「ぶちまける……?」


自分の話から一転。まるで「死」への話をそらすように、飛鷹さんは唐突に提案した。


「アイツを好きなところ。あと30分で〝好き〟を止めるんだろ?だから今のうちに喋っとけよ。んで、最後は笑って終われ。そうすりゃ今までのアンタも、ちっとは報われるだろ」

「飛鷹さん……」


ここぞって時に、ここ一番に優しい。
なにそれ、反則。


(嬉しいけど……お言葉に甘えて喋ったら、今度は〝うるさい〟って言われないかな?)


信用していない目で飛鷹さんを見る。そんな私のあけすけな態度は、本人の笑い声により一蹴された。