「私ずっと好きの気持ちを伝えていたんです。でも〝そういうの困る〟って言われました」

「じゃあアンタ、好きな奴にずっと迷惑行為を繰り返してたわけ?なにそれ、うぜ~」

「うぅ、うぇ……っ」


また号泣し始めた私にギョッとした飛鷹さんは、(ため息交じりのおざなりな)フォローをする。


「じょ、冗談だっての。んなに泣くなよ」

「だって……っ」


追い打ち効果、ありすぎだよ。
お先真っ暗って言葉があるけど、今まさにソレ。


私は、自分が住んでいたアパートも、持っていた服もぜんぶ捨てココにやって来た。

なにバカな事してんの?って飛鷹さんは思うかもだけど……私が持つどんな物よりも、咲人さんの価値は重かった。だから「咲人さんがいるなら他に何もいらない」ってココに転がり込んだのを、今も鮮明に覚えている。

比較できないほど、比較する意味なんてないほど。

私にとって咲人さんは、大事すぎるほど大事で、大切で、大好きな人。