喉が渇いたと連呼する飛鷹さんを放っておくわけにもいかず。飛鷹さんに水分補給させ、いわゆる最後の晩餐中。

と言っても咲人さんにフラれた後で、食事が喉を通るわけなくて。本来、食べ物を咀嚼する口は「あと30分」と繰り返すのみ。アンド、ため息。


「そんなにショックかよ?」

「っていうか、トラウマレベルです。永遠に忘れられません……。私が死んだ暁には、お経ではなく、さっきの言葉を永遠に唱えてください」

「やだね。化けて出て来るだろ、絶対」

「化けてでも会いたいんですよ……」


それは瞬殺だった。
意図しない、一瞬のことだった。

か細い糸で繋がっていた私と咲人さんは、永遠に千切れてしまった。私は、捨てられちゃった。


(ずっと空振りだったんだ……)


長い一人よがりをしていた。そりゃ、いくら「好き」と言っても返ってこないワケだよ。

だって咲人さんを想う気持ちは、この世に存在してはいけない、迷惑なものだったんだから。