『で、できます!待ちます!ずっと待ってます!』


彼女持ちなんだ、って事実にショックを覚えるよりも。今の彼女よりも私を優先してくれる嬉しさに、我を忘れるくらい興奮した。

だって、ようするに。

咲人さんの家に住んでいいってことでしょ?彼女にしてくれるってことでしょ?そんなの、喜ぶしかないよ――なんて淡い期待……っていうか濃すぎる期待を抱いていたのが少し前。


だけど現実とは、なんとも残酷なもので。


「ミミ、今日は帰らないから」

「お仕事ですか?」

「んーん。女」

「……了解です」


彼女になれた!と思っていたのは、私だけだったみたい。

ひどい。悲しい。傷ついた。こんなの嫌だ。嫉妬で狂っちゃう――って思うんだけど。

文句を言ってやるはずの口は、咲人さんを前に緩むことしか出来なくて。デレデレと、だらしなく愛の言葉を囁いている。