「コラコラ、猫なら上手に受身とらねーと」
「……っ」
「ハッ、おもしれーほど真っ赤だな」
ケラケラ笑う飛鷹さんが憎たらしくて、大きな声で怒ってやろうって……でも、出来なかった。
なぜなら――グリッと。
飛鷹さんにより、互いの下半身を密着させられたから。押し当てられたから。
シャワーで濡れているのもあってか、着衣してても全裸と勘違いしそうなほど、互いを近くに感じる。それは飛鷹さんも同じらしく、「えっろー」なんて。血だか蒸気だか分からないもので、頬を赤くした。
「や、めて……!」
「やめて、なんて言っちゃダメだろ。だってアイツも言ってたじゃん〝俺を慰めろ〟って。アンタは勘違いしてるけどさ、
男を慰めるって、こーゆーコトよ?」
「っ!」
監視役というのは表向きで、私の本当の仕事は……コレ?それを承知で、咲人さんは「私」に「頼む」って言ったの?
(ウソだ……。
ねぇ咲人さん。ウソだよね、こんな……)