間一髪。自分の片腕を挟み、紫吹の直撃は避けたものの……。やはり重たい一撃だったのか、咲人さんの足がよろける。
一瞬の隙を見逃さなかった紫吹は、咲人さんのお腹めがけて足をのばした。
「っ!!」
攻撃が入る直前。咲人さんは紫吹へ引き金を引くも、腕をかすっただけで致命傷にならない。無常にも、紫吹の足がお腹に命中する。
「なんで俺にケンカを売るのか疑問だったが……そうか、あの女が原因か。
お前、あの女に惚れたな?」
「はぁ、はぁ……っ」
紫吹に蹴られ、わずかに体が飛んだ咲人さん。すぐ態勢を立て直し、再び狙いを定める。
(咲人さん……っ)
飛鷹さんの合図があれば、すぐ飛び出すのに――藁にもすがる思いで飛鷹さんを見る。
すると、なんとなんと。
飛鷹さんも、私を見つめていた。