私が思っているより、三人の絆は深いかもしれない。

そうだとしたら、咲人さんにとって大事な雪光さんを「よくも私の好きな人を危険な任務に行かせたな!」って責めるのは……イケナイ事だ。


(雪光さんも雪光さんで、急に優しい顔したりするし。良い人なのか悪い人なのか、分からないや)


結局「咲人さんに無理難題を押し付けた理由」を、雪光さんに聞けないのまま。スピードが落ち、車は止まった。

いつの間にか雑木林の入り口に来ていて、木々の間を細道が続いている。ここから先、人の足でないと通れそうにない。


「この先に咲人がいる。ミミちゃん、護衛に周を連れて行きなさい。咲人いわく〝周はしぶとい〟から、きっと君の役に立つよ」

「そのセリフ、どっかで……。まさか俺が休みをもぎとった夜から、ずっと盗聴してたのかよ!」

「さっき言っただろう?部下の事は把握してるって」

「げー……」