「……」


観察するように私を見る雪光さんだったけど、目を閉じて「そうか」と。柔らかい口調で呟く。


「Goodboy。いやGoodgirlだね。
やっと聞きたい言葉が聞けた。

さて飛鷹、行き先は分かるね?」

「既に向かってる」

「?、??」


下げた顔を戻すと、さっきとは別の、優しい笑みを浮かべる雪光さん。少し機嫌が良く見えるのは、気のせい?


「まさか同士とはね」

「同士?」

「社名を星井グループにするくらいには、僕も見境なく貪欲なんだよ。自分の偽名すら、星井と名付けた。欲深いだろう?」

(星井、ほしい……。
あぁ、〝欲しい〟ってことか!)


そんな親父ギャグみたいなノリで会社の名前を決めちゃったんですか⁉と言いかけると、飛鷹さんが盛大に咳払いした。

ミラーを見ると「口を慎め」って、すごい形相で口パクしている。……緩んだ気に喝を入れ、お口をチャック。