飛鷹さんの、少し詰まった声。焦った雰囲気。

それらは「早く気づけ」と、私に促しているようで……呼応した私の心音が、強く速くなっていく。


「何でアンタは大鳳さんの家から出られなかった?」

「それは咲人さんから外出を禁止されていて……」

「なんで?」

「え……」


そう言えば、理由を考えたことがなかった。
どうして外出を禁止されていたんだろう。


「ヒント、その②。
なんで本名じゃなく、ミミって呼ばれていた?」

「それは、私が飼いネコだからって……」

「おいおい、大鳳さんを〝ヤバい奴〟みたいに言うんじゃねーよ。本当にネコだと思う訳ねーだろ」

「え……」


でも咲人さんは「君を飼ってあげる」って言ってくれた。だから「ミミ」と名前を付けられ、そう呼ばれることにも違和感を覚えなかった。第一、私も気に入っていたし。


(だけど飛鷹さんの〝この感じ〟。咲人さんが私を名前で呼ばないのは、理由があるんだ)