「話しはついた?」

「お、おおむね……?」

「ん。俺は仕事が立て込んでいるから、帰らない日が多くなる。だからミミ、ちゃんとコイツを見張ってるんだよ。わかった?」

(慰めるって、ようは見張り役をするって事なんだ!)


答えをもらえて一安心。それに、見張るだけなら難しくない。あー、良かった。これなら咲人さんの命令を守れそう!


「そうだ。一週間は学校を休んでもらう事になるけど、別にいいよね?俺の命令より大事なこと、ミミにはないもんね」

「はい!進んだ授業は、友達にノートをかりるので大丈夫です!」

「いい子。じゃあソイツを頼む。さっそく今夜は帰らないから」

「行ってらっしゃい!」


バタン、と音がして。
あーあ、行っちゃったって肩を落として。
だけど頑張らないと!ってヤル気を上げた、

その時だった。


「今夜は帰らない、なんて。あからさまな〝接触許可〟が出たもんだな」

「え――」


今まで座っていた男の人。拘束されていた手はなぜか自由になっていて、床に残骸だけが落ちていた。しかも、いつ部屋を移動したのか。私の真後ろに控えている。