「〝取りに戻る〟ってことは、また咲人さんの家に行くつもりだったんですか?」
「……俺、アンタの勘の鋭さ。やっぱ嫌いだわ」
「え、」
いきなり悪口?としょげる私に、飛鷹さんは「わかんねぇかなぁ」と。血がついてない方の手で、私の頭を撫でた。
「アンタの勘の良さって、アンタの身さえも滅ぼしかねないわけ。って事で、もっと鈍感になれよ」
「と言われましても、生まれつきですし……。あ、飛鷹さんがスマホ持ってるなら、連絡先を交換してもいいですか?」
「は?」
苦い顔をされた後。
つきつけられたのは――「NO」。
「嫌だっつーの。どうせ大鳳さんの家から追放された恨み言を、なっげー文章で送ってくんだろ?」
「私をなんだと思ってるんですか。違いますよ、ハンカチを返したいだけです」
「……いらねーよ。アンタにやる」
そう言いながら、自分の連絡先がコード化されたディスプレイを私に向ける。言動の不一致が気になったけど、構わずコードを読み取った。