「咲人さん、次はコレいいですかっ?」
「うん、いいよ」


――こんな会話を、一日に何度も繰り返した時。空から太陽が消え、私たち二人はベッドに横になる。

きっと次のお願いが最後だって、何となくわかる。だから今までよりも、ちょっと大胆なお願いをしてみた。


「咲人さん……手を繋いだまま、抱きしめたまま。私が眠るまで、キスしてください」

「……うん。いいよ」


言葉の通り、咲人さんは手を繋ぎ、抱きしめたまま。私に長いキスをした。


「ミミ、気持ちいい?」

「はい……っ」


私に覆いかぶさり何度何度も角度を変え、キスしてくれた。柔らかな髪が私の顔に触れる度、散々我慢した涙が、あっけなく目尻から落ちていく。


「もっと、して……っ」

「……もちろん」


ベッドのシーツが、涙でどんどん濡れる。咲人さんが指で拭ってくれるけど、追いつかないほどの量。