『じゃあ俺が、君を飼ってあげる』


あの時、助けてくれて。
私を拾ってくれて。
家に置いてくれて。


(全部ぜんぶ、ありがとうございます)


この一か月が夢のような出来事で、だけど決して夢じゃなくて。私の奥深いところに心地よく刺さって、点滴のように常に幸せを送り込んでくれた。

だから、もう充分。
この一日があれば、私はきっと前を向ける。


「咲人さん、朝ごはん何にしましょうかっ?」


だから咲人さん。

この一日だけは、思い切り甘えますよ?
ご飯を振る舞っていいですか?
隣同士で座っていいですか?
横に寝転んでもいいですか?

あわよくば、もっと欲を出していいなら。

長いキスをしてもいいですか?
唇が熱くなって、溶けそうになって。
むしろ痺れるくらいの長い時間。
あなたの唇を、独占していいですか?

空から太陽が消え、二人でベッドに入る時。

ギュッと抱きしめてもらっていいですか?
寂しくなった時、あなたを思い出せるように。
苦しくなるくらい、ギュッと――