(でも〝不思議〟と言ったら……)


好きでもない私の片思いを邪魔した「飛鷹さんの謎」も残ってる。

結局、なんだったんだろう。
飛鷹さんがしたかった事って何?



『俺はねぇ、アンタの中にいるアイツを消さないといけねぇんだわ』
『直にわかるぜ。だから答えねぇ』



あの言葉たちの真相が気になる。
それに、



『でも、それはアンタの方だろ大鳳さん。もう命令なんて知ったこっちゃねーよ。この先は自由にやろーぜ?俺も、あんたも』



命令って、なに?
「咲人さんから」の命令?
「咲人さん以外の人から」の命令?

それとも……
「咲人さんも誰かから」命令されてる?


(どうともとれる発言だった。私の考えすぎなのかもしれないけど……)


それに飛鷹さん。
咲人さんのことを〝大鳳さん〟って呼んだ。

……確か前にも。
飛鷹さんは、咲人さんをそう呼んでいたっけ。



『大鳳さん相手以外にも、アンタって笑えるんだなって』



すごくなナチュラルな言い方だった。呼び慣れている感じだった。ということは、やっぱり二人は知り合いなんだ。

あの時は上手いこと逸らされたけど……。
っていうか、なんで隠したがったのかな?


(元仲間ってこと以外に、もっと深い事情があったりする?私に知られたくない、深い事情が……)


――ギュッ。