――バタン。


一枚隔てたドアの向こうで「あちーからアイス食おー」って、キッチンに向かう飛鷹さんの足音が聞こえる。

飛鷹さんの言葉の意味は、よく分からなかったけど……私としては、この状況もよく分からない。


(えぇっと……ここから先、どうすれば?)


床に寝転がった、私と咲人さん。
当たり前だけど、二人は非常に気まずくて、


「……」
「……」


それぞれ無言のまま、無意味に天井を見つめた。




※一方の飛鷹※

「えー⁉なんでこの冷凍庫ラムレーズンしかねーんだよ!いけすかねー!俺はソーダ味のアイスが食いてぇんだっての!」