「おー、ナイス☆スライディング~」
(言ってる場合ですか!)
私はともかく!
咲人さんがケガでもしたら、どうするの!
「ひ、飛鷹さん……あとで、覚えていてください……っ!」
「ハハー」
手をヒラヒラと振りながら、飛鷹さんはドアノブを握る。
そして――
「あとで、なんてねーよ」
「え?」
「俺は学んだコトを活かしただけだ」
『咲人さんとお別れする時。咲人さんの笑った顔を、最後に見たいです』
「最後にアンタの笑った顔が見てぇって。そう思ったの」
「飛鷹さん……」
ドアが閉められ……そうになった時。
少しの隙間から飛鷹さんが呟いた。
「でも、それはアンタの方だろ大鳳さん。もう命令なんて知ったこっちゃねーよ。この先は自由にやろーぜ?俺も、あんたも。
じゃ、後はお好きに」