「つーか、お届けもんだって。早く受け取れ。

アンタが煮え切らねーからさ、代わりに俺が動いちった。だって必要だろ?このネコ」

「……いらない」

(うぅ!)


「いらない」と言われてしまった。私って……。

自分の存在価値に落ち込んでいると、私を抱く飛鷹さんの手が緩んでいることに気付く。このままじゃ、私が落ちちゃう。


「って言われても、俺もいらねーしなぁ〜。
仕方ねぇから飼い主に返すわ」

「え」


返すって。
まさか……まさか⁉

すると飛鷹さんが砲丸投げのように。私を上に掲げ、思いっっっ切り腕を振る。


「ほらよっと!
受け取らねーとネコ死ぬぞー」

「きゃあぁぁ!?飛鷹さんのバカー!」

「っ、ミミ!」


ダンッと。咲人さんが滑り込んでくれたことにより、床との衝撃を免れる。といっても反動は凄まじいもので、二人で何度か床をバウンドした。

痛い、のはもちろんだけど。状況の整理が付かなくて、パニックが先に来る。私も咲人さんも、何が何だかワケわからない状態。

だというのに、この人ときたら。
パン、パンと手を叩いて拍手喝采。