「……ふーん、りょーかい。久々にベンキョーしたわ」


「ありがとな」って言いながら。飛鷹さんは用意していたナイフを、私の服にひたりと当てる。

へ、まさか……
ワンピースを切るの⁉


「飛鷹さん、やめ――!」

「ほらよ、っと」


ジャキッと音がした時。私の服が破けるのではなく、両手が自由になった。

無残にも切られた紐を、飛鷹さんはプラプラ揺らしながら遊んでいる。


「それ、サスペンダーの紐ですよね⁉」

「そーそー。壊れちゃったから、これからパンイチで過ごさなきゃ。やだ恥ずかしー」

「い、言ってる場合ですか!」


だけど飛鷹さんは聞く耳もたない。私の上から降りると「つかまれ」と、筋肉質な手を伸ばす。

し、信じていいのかな?
またヒドイ事されない?

さっきまでの状況が、状況だっただけに迷う。


(この手を取って、またヒドイことされたら?もしかして今が逃げるチャンスじゃ、)


しばらく、たじろぐ。
だけど待ちきれなかった飛鷹さんは、


「はーい、時間切れ~」

「へ、ひゃあ⁉」