私に跨ったまま、笑いのツボに入って大爆笑。「やっぱ面白れぇわ、ミミちゃん」と、くしゃりと顔を歪める。

さっきまでの有無を言わせないオーラが、少しだけ薄れた。


「わ、笑いすぎです……」

「悪ぃ悪ぃ。いやーこんな状況にも関わらず、アンタ度胸あんね」


飛鷹さんは私の胸に置いていた手を、頬に置き換えた。すりすりと、優しい手つきで撫でられる。


「さっきは〝俺の事ボコボコにしたい〟とか言うし。アンタがそこまで勇ましいって知らなかったわ。

あ、じゃあさ。ついでに教えてくんね?」

「教える?」


私は何の知識もありませんよ?と言うと、飛鷹さんは首を横に振った。


「アンタの事を知りたいんだ。アンタの中にしか答えはねぇよ。だから聞くぜ。

最後のお別れの時。アンタだったら、アイツのどんな顔が見たい?」

「え」

「俺って学がねーからさ。教えてよ、頼むわ」