「……は?」
今、衝撃的な言葉が聞こえた気がしたけど。
「抱かれろって、そう言いましたか?」
「ん、言ったいったー」
返事をしながら、飛鷹さんは私の両手を上で一つにする。
おもむろに脱いだサスペンダーの紐をパチンと外したかと思えば、私の手を素早くまとめ、ベッドフレームの足に括りつけた。
「なに、してるんですか……?」
「いくらミミちゃんに言っても聞き入れてくんねーからさ。時間切れ。
これから俺は、無理やりでもアンタを抱きます」
「なに、言ってるんですか……っ」
いつも飄々としている飛鷹さん。
いつものおちゃらけ?
それとも、本気?
――なんて思っているうちに、簡単に無力化させられた。
それでも私が焦らないのは、怒らないのは、きっと飛鷹さんが「本気じゃない」と信じているからだ。