「俺は学がねぇからな。ガッコーにも行ってねーし。ドン引きの連続だろ?」

「え、そうなんですか?」

「……無理してリアクション取らなくていいぜ。笑いたきゃ笑えよ」


珍しく、ムッとした顔をする飛鷹さん。その顔が可愛くて、思わずクスリと笑ってしまった。

飛鷹さんは「笑いたきゃ笑え」と言ったものの本当に笑うなんて――と、不快感を露わにする。


「違いますよ、笑ったのは飛鷹さんの顔が珍しかったから……それに一週間限定ですが、私もガッコ―行ってません。私たちお揃いですね」

「!……ぷっ、なんだそれ」


いつもの不敵な笑みではなく、くしゃりとあどけない笑顔。その顔も可愛かったけど、笑ったら今度こそ怒られそうなので、必死に我慢。

すると飛鷹さんが「にしても」と。パンに紛れていたおにぎりを発見し、包装紙に手をかける。


「アンタも狂ってるよなぁ。〝ガッコ―行くな〟は、アイツの指示なんだろ?」

「私にとって、咲人さんの命令が最優先ですからね。心配せずとも、遅れた勉強はちゃんと取り戻しますよ」

「……つーか、ベンキョーの心配いらんかもよ」

「え?」