「それは……まだ未定です。でも、いつか必ずココを出て行きます」
「……」
もう焼きそばパンないのかな?と、袋を漁る間。出会った頃と同じようにサスペンダーを着る飛鷹さんが、ポツリと呟いた。
「〝いつか〟じゃ遅ぇんだよ」
「え?」
今なにか喋った?
パン探しに夢中で、聞き取れなかった。
だけど飛鷹さんはあっけらかんと「ま、いーか」と。大きな口にパンを詰め込んでいく。
「あ、ついでに俺を好きになる予定も聞いとこーか?」
「そんな日は未来永劫やってきません」
「ハッ、即答かよ」
焼きそばパンの袋をグシャリと潰し、その辺に投げる飛鷹さん。この前のドーナツの二の舞。この人、ゴミはゴミ箱に捨てるって習わなかったのかな。
軽蔑した視線を送る私に気付いた飛鷹さんが、短く鼻で笑った。